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散髪。髪が長いと邪魔だし、すぐに切らないといけなくなるので割と短くして貰った。学校の行事の関係で、髪の毛を校名になるよう刈り込んで貰っている人達がいた。時間待ちの間、置いてあった数独を解いた。数独をするのは初めてだ。隣でクロスワードパズルを解いていたお婆さんと話しながら取り組む。色んな話題が飛び交っていた。沖縄の話、茨城の話、過去の受験とこれからの就職の話、年中着ているジャージと馬車馬の話。6ページ解いたところで席が空いた。「短くして下さい」「夏っぽく？」「夏っぽく」。もう夏なんだなと思った。髪を切られながら話をした。隣で馬車馬について愚痴っている男と彼を待っている友人達についての話、大学の話、中国と韓国の話、デモ隊と豆腐売りの話、パズルと老人ボケの話。「四年間、時間を無駄にしてると思いながら酒飲んで、そしたら就職じゃないですか。受験と違って、就職ってこれからの人生、三十年とか、四十年とか、馬車馬のように働くってことじゃないですか」「お前は無駄って言うけど、本当に有効に時間使ってたらそんなこと言わなくてすむんだよ。大体、お前は四年じゃ卒業できねえよ」「ああやって言って、大学が好きなんだよねえ」「まあ、愚痴る相手がいるってのはいいことですよ」。外からは豆腐売りの笛が聞こえる。

そういえば、上京して生まれて初めて床屋に行った。昔から家の近所には美容院しかなかったからだ。店によっても違うんだろうけど、床屋は早いし安い。気に入ってしまって通う頻度が上がった分だけ費用は変わらない。

しかし知らない人と会話をするのは楽しい。その場にいない知り合いの話をしなくてすむし、何より思い出話をしないのがいい。

『メイドさんダイナマイト』を聴く。色々と懐かしくなって死にたくなった。どうして「メイドさんパラパラ」と「メイドさんレゲエ」が収録されてないんだ。

悪い予感が欠片もないってのは嘘だけど、まだ心は元気。大筋はまとまってきたか。