素晴らしきかな、ゲーム音楽の世界。
SQUARE ENIX MUSIC COMPILATION Vol. 1』を聴く。中古で投げ売られてた。これでしか聴けない曲はないし、スクエニは元々サントラに力を入れてるので稀少価値のある曲も少ないため、仕方ない。『スーパーマリオRPG』の曲が収録されていればかなり違ったんだろうが。PS時代の曲が中心で、植松伸夫は6曲収録されているがSFC時代の曲は一つもなし。そんな中で唯一収録されているSFC時代の曲が、『クロノトリガー』の「風の憧憬」。『クロノトリガー』はPSにも移植されていてそちらのサントラもあるが、「風の憧憬」はSFCと同アレンジだ。光田康典はこれと『ゼノギアス』の「憧憬」とで2曲収録されており、負けず劣らず評価の高い『クロノクロス』からは未収録となっている。「風の憧憬」といえば人気曲である一方、「風の情景」と誤読されることでも有名で、実際「風の情景」の方が遙かに多く検索に引っかかる。それを踏まえた上で、『ゼノギアス』から「憧憬」を選び、しかも続けて「風の憧憬」を選曲している点を考えてみる。つまりそこには、「風の情景」ではなく「風の憧憬」なのだというスクエニの意志を感じられる。しかしそんな思いも空しく、CDDBでは「風の情景」で登録されていた。「憧憬」に「あこがれ」とルビを振っておけば、もっと注意して貰えたのかもしれない。
FINAL FANTASY TACTICS Original Soundtrack』を聴く。年に幾本ものFFが発売される今では考え難いことが、当時はFFTの発表は議論を生んだ、ような気がする。それまでFFの外伝といえば『聖剣伝説』と『ミスティッククエスト』しかなかったのだから。だけど所謂古き良きFF、ひいては中世ヨーロッパを下敷きにしたファンタジーの世界の再現については、FFTはかなりいい線を行ったというか、当のFF本編よりもそれらしかった。何より音楽が素晴らしい。素晴らしすぎて書くことがない。「戦闘終了」でさり気なくFFの代名詞ともいえる曲「プレリュード」が用いられているのがポイント、多分。FF本編で「プレリュード」が曲として存在しないのは8だけだが、こちらではゲームオーバー時に流れる「The Loser」において用いられている。これ豆知識な。
Touch! Generations SOUND TRACK』を聴く。クラニンポイントが使用期限間近だったので。聴いていて改めて、任天堂は日常的にこれらのゲームを起動させたいのかなと思う。飽きることもない程度に印象に残る、そんな調子の曲ばかりだ。基本イージーリスニングで、時にはアンビエント風でさえある。これだけ徹底してイージーリスニングを目指したのは、メジャーなゲームでは意外と少ないような気がしなくなくもない。
『マリオ&ゼルダ ビッグバンドライブCD』を聴く。マリオはともかく、ゼルダのビッグバンドアレンジが合っているのに驚く。加えて、単なるアレンジというだけでなく、良くも悪くもライブらしい雰囲気がきちんと出ている。こういう感じをゲーム関連のCDで聴けるのは新しい。マリオとゼルダから曲選んでるんだからそうでない曲なんてないんだけど、お馴染みのメロディーに歌詞がついた「GO GO マリオ」が特に聴き所。
『交響組曲ドラゴンクエスト」ザ・ベスト』を聴く。ドラクエは元々がクラシック指向強めなので交響組曲シリーズを聴いたところで、特に新しい何かがあるわけではない。このことこそが、すぎやまこういちの偉大さだと感じる。現実にオーケストラで演奏している曲が、まるでゲームで流れていた曲をそっくりそのまま再現しているかのように思わされる。
『Killer 7 original sound track』を聴く。『Killer 7』は映像や脚本が弾けてたせいか、音楽は主張控え目だったと思う。場面が思い出せるほど印象があるのは「Sweet Blue Flag」、「Rave On」、「Reenact」ぐらいか。そういう意味ではBGMらしいBGM。
『EVER AFTER 〜MUSIC FROM "TSUKIHIME" REPRODUCTION〜』を聴く。中古で投げ売られてた。タイプムーンの音楽は特別好きなわけではないけれど、「感情」だけは未だに聴きたくなる時がある。
最近のゲームでも欲しいサントラはたくさんあるんだけど、いざ買うとなると飛び抜けて安いか、思い出補正の力かを借りないと踏ん切りがつかない。各社でレゲーサントラの復刻が流行っているみたいで、ゲーム音楽を聴き漁るには悪くない時期なのかもしれません。